保育マニュアル

急な体調変化があったとき

0歳から6歳までの子どもを対象とした保育施設で急な病児の対応を行う際、以下のステップを参考にしてください。この年齢の子どもたちは免疫系が完全に発達していないため、病気にかかりやすく、また急激に症状が悪化することがあります。したがって、迅速かつ慎重な対応が必要です。

1. 症状の特定と評価

発熱、嘔吐、下痢、発疹など、急な体調変化の兆候に注目します。特に、呼吸困難や脱水症状は重大なサインです。
疑わしい場合は、直ちに体温を測定します。

2. 応急処置の実施

緊急性のある場合(例えば、意識がない、呼吸が困難など)は、すぐに救急車を呼びます。それ以外の場合は、症状に応じた応急処置(発熱時の冷却、脱水症状には水分補給など)を行います。

3. 保護者への連絡

保護者に子どもの状態を詳しく伝え、必要に応じてすぐに帰ってきてもらうよう依頼します。

4. 医療機関への連絡・受診

症状によっては、保護者に子どもを医療機関に連れて行くよう勧めることが適切です。
緊急を要する場合は、保護者が来るまでの間、子どもを医療機関に連れて行く場合もあります。

5. 感染症に対する衛生管理

状況に応じて、施設内の消毒を徹底します。特に、おもちゃや使用した物品は丁寧に消毒する必要があります。

6. 記録の保持

症状の発生時刻、観察された症状、体温、施設での対応、保護者への連絡内容など、すべての詳細を記録に残します。

7. フォローアップと再発防止

子どもが家庭で回復するまでの間、保護者と連携を取り、必要に応じて健康状態のアップデートを求めます。
特定の感染症が原因であった場合、家庭内での衛生管理や感染症対策の見直しを行い、再発防止に努めます。

8. 緊急連絡体制の確認

保護者の連絡先や緊急時に連絡を取るべき医療機関の情報を常に最新の状態に保ちます。
緊急連絡体制や病児対応プロトコルについて、スタッフ間での情報共有と理解を深め、どなたであっても対応できることが重要です。

9. 教育と予防

子どもや保護者に対して、手洗いの重要性、咳エチケット、正しい健康習慣など、感染症予防に関する教育を定期的に行います。
可能な限り、保護者に対して子どもの予防接種を推奨し、予防接種のスケジュールに従うようアドバイスします。

10. スタッフの健康管理

保育スタッフも定期的に健康状態をチェックし、感染症の兆候がある場合は、自宅待機などの適切な対応を取ります。

子どもの体調の変化

★子どもの体調の変化には様々ありますが、特に注意が必要な変化は以下の通りです。これらの症状は、時に深刻な健康問題を示している可能性があるため、迅速な対応が求められます。

1. 発熱

子どもにとって比較的一般的な症状ですが、特に乳幼児の場合、高熱が突然出ると発熱けいれんを起こすリスクがあります。また、熱が長引く場合は感染症の可能性が考えられます。

2. 呼吸困難

呼吸が早く、浅い、または苦しそうにしている場合、気道に何らかの問題が発生している可能性があります。喘息や気管支炎、肺炎などが考えられるため、注意が必要です。

3. 強い腹痛

急に強い腹痛を訴える場合、消化器系の問題や盲腸炎など、深刻な病気のサインの可能性があります。

4. 嘔吐と下痢

水分を補給しても嘔吐が続く、または下痢が頻繁にある場合、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。これは乳幼児にとって特に危険な状態です。

5. 発疹

体に急に現れる発疹や、触ると痛みを伴う発疹は、感染症やアレルギー反応の可能性があります。

6. 眠気や意識の混濁

通常よりもずっと眠そうで、起こしてもすぐに寝てしまう、または話しかけても反応が鈍い場合、深刻な健康問題が隠れている可能性があります。

7. 食欲不振

軽度の食欲不振はよくあることですが、長期間にわたり食べ物をほとんど摂取しない場合は、栄養不足や脱水症状を引き起こす可能性があります。

8. 異常な泣き声や態度

普段と異なり、慰めても止まない泣き声や、明らかに苦痛を訴える様子は、何らかの痛みや不快感があるサインです。 これらの症状が見られた場合は、保護者に通知し、必要に応じて医療機関への受診を促すことが重要です。

★緊急時の連絡先★
小児救急連絡相談:#8000 (子どもの急な病気に困ったらこちらに連絡をしましょう。)
救急相談センター:#7119 (救急車を呼んでいいか迷ったらこちらに連絡をしましょう。)

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