保育マニュアル

4歳の発達段階と特徴

4歳の子供は、好奇心旺盛で探求心が高まり、物事の理解が深まります。言語能力が飛躍的に向上し、自己表現が豊かになります。社会性も発達し、友情や協力の重要性を理解し始めます。運動能力も向上し、様々な遊びやスポーツに興味を持ちます。自己主張が強くなり、独自の考えや感情を表現します。

一般的な4歳児の成長の目安は、以下の通りです。

身体・運動機能

3歳児で運動機能とともに脳機能も発達し、「平均台をスムーズに渡る」「台の上に上ってジャンプする」「鉄棒にぶら下がる」「片足立ちをする」「片足で立ったり跳んだりする」などの運動遊びができるようになりますが、4歳児では「ケンケンパー」「スキップ」など、さらに複雑な運動もできるようになります。

ボールの扱いも上手になり、投げるだけではなくキャッチできるようになったり上手にサッカーをしたりできるようにもなるでしょう。また、「走りながらボールを蹴る」など、異なる2つの動きも段々とできるようになっていく年齢です。

手先や指先の機能も発達し、3歳児では自分で身支度をした後に大人が「襟を直す」「シャツの裾を入れる」などの仕上げを手伝う場面もありますが、4歳児ではほとんど自分で整えられるようになります。

工作では、ハサミでカーブや複雑な線を切ったり、少し高度な折り紙を折ったりすることもできるようになるでしょう。

言葉・知能

4歳児は、自分の思ったことをほぼ全て言葉にして伝えることができるようになります。まだわからない言葉もたくさんありますが、新しい言葉をどんどん吸収したりわからないことを質問したりできるようになる時期です。

知能も発達し、相手の気持ちや状況を考える力も少しずつ芽生え、言ってはいけないことを考えられるようになる子もいます。

また、朝昼晩や現在・過去・未来などの時系列や、曜日・月・年などの認識もできるようになるでしょう。

社会性・基本的生活習慣

精神的にも大きな成長が見られ、自制心が発達して少しずつ我慢ができるようになったり自意識の芽生えにより自分と他人をしっかりと区別できるようになったりします。

思いやりの気持ちも育ち、泣いている友だちを心配したり困っている子を助けたりできるようにもなるでしょう。その反面、賢くなった分だけ自分の都合が悪いことは隠したり嘘をついてごまかしたりすることができるようにもなる時期です。

3歳児の無邪気な友だち関係とは少し変わり、友だちの存在がより大きくなるとともに、大人の目が届かないところで友だち関係のトラブルが発生することが増えることもあります。

自分のことは一通りできるようになり、基本的生活習慣はほぼ自立。自分から進んで日常の挨拶ができるようになり、「ありがとう」「ごめんなさい」など、状況に合わせて自分から言えるようになる時期です。

“4歳の壁”とは

“4歳の壁”とは、大脳の発達に伴い認知機能が成長することで訪れる自身の変化に戸惑い、不安定になる現象のことを言います。そのため、4歳児は心身の成長に反して、低年齢の頃に戻ってしまったような幼い行動をとってしまう様子が見られることがあるでしょう。

4歳児の不安定な様子に手を焼いてしまう場面があるかもしれませんが、成長の過程の一時期のことなので、温かく見守ることが必要です。

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