プールや水遊びで起こりうる事故・病気
子育てノウハウ
2025.08.15
暑い夏、子どもたちが大喜びする「おうちプール」や「ベランダ水遊び」。公園やプールに行かなくても、手軽に楽しめる水遊びは、家庭にとって頼もしいレジャーのひとつです。
でも実は、自宅での水遊び中に思わぬ事故や病気が起こることもあるのをご存じでしょうか?
乳幼児を持つパパ・ママや、子どもを預かる大人が気をつけるべき「おうち水遊びの危険と予防策」についてご紹介します。
目次
おうちプール・水遊びで起こりうる主な事故
1. 溺水事故(おぼれる)
たとえ浅いビニールプールでも、乳幼児は10cmの水でも溺れるおそれがあります。
わずか数秒のスキをついて事故が起こることも…。
予防策:
・必ず大人がそばで見守る(手の届く距離に)
・少しの間でも絶対に目を離さない
・水を張ったまま放置しない(遊び終わったらすぐに水を抜く)
2. 転倒・頭部打撲
水で濡れた床やビニールシートは滑りやすく、転倒によるケガが起きやすくなります。
予防策:
・すべり止め付きのマットやジョイントマットを敷く
・はだしで遊ばせ、走り回らないよう声かけを
・おもちゃやバケツなど、足元に散らばる物を減らす
3. 日焼け・熱中症
水の中でも日差しは強く、気づかぬうちに日焼けや脱水が進行していることがあります。
予防策:
・日陰(タープ・テント)での水遊びを心がける
・帽子の着用、日焼け止めの使用を検討
・15~20分ごとに休憩&水分補給を
水遊びのあとに注意したい病気
1. プール熱(咽頭結膜熱)
アデノウイルスによる感染症。おうちプールでもタオルの共用や水の飲み回しなどで感染することがあります。
予防策:
・タオルや飲み物は個別に
・水遊び後はシャワーで全身を洗い流す
・目の赤み、喉の痛み、発熱があれば早めに受診
2. とびひ(伝染性膿痂疹)
小さな傷や虫刺されから細菌が入り、水遊びで悪化しやすくなります。
予防策:
・湿疹やかき傷がある場合はガーゼなどで保護
・発症時は水遊びを控え、皮膚科で早めの治療を
3. 皮膚トラブル(かぶれ・乾燥)
長時間の水遊びは、塩素こそないものの、皮膚のバリア機能を弱めてしまうこともあります。
予防策:
・遊び終わったらすぐに着替えて保湿ケア
・肌に赤みやかゆみが出たら様子を見て、小児科へ相談を
万が一のための「応急処置ガイド」
水遊び中やそのあとに子どもが体調を崩したとき、すぐに正しい対応ができるよう、家庭で覚えておきたい基本の応急処置をまとめました。
●溺れてしまったとき
①反応を確認
・すぐに水から引き上げる
・意識があるか、呼吸しているかを確認
② 呼吸がない、意識がない場合
・すぐに119番通報
・心肺蘇生(胸骨圧迫・人工呼吸)を開始
・AEDが近くにある場合はすぐ使用(※公共施設や地域イベントの場合)
③ 意識がある場合
・安静にさせて体を温める
・嘔吐やけいれんの有無を確認し、必要に応じて受診を
●目に水が入って痛がる・赤くなる
・清潔な流水で優しく目を洗い流す
・痛み・充血が続く場合は眼科へ ※こすらせないよう注意
●皮膚に赤みやかゆみ、湿疹が出た場合
・シャワーで塩分や雑菌を洗い流す
・清潔なタオルで水気をとり、保湿ケアを
・かゆみや湿疹が強い場合は小児科・皮膚科へ相談
●熱中症が疑われるとき(ぐったり、ぼんやり、顔が赤いなど)
・涼しい場所へ移動し、衣類をゆるめる
・水分(できれば経口補水液)を少しずつ与える
・意識がない・吐いてしまう場合はすぐに救急要請を
●転倒による頭部打撲や出血
・たんこぶ程度なら冷やして様子見
・頭を打ったあとで「吐く・ぐったりする・目つきがおかしい」などがあれば、すぐに受診
常備しておくと安心な応急セット
・清潔なタオル・ガーゼ
・消毒液・絆創膏
・保冷剤 or 冷却シート
・経口補水液(OS-1など)
・子ども用体温計
・保湿剤(ローションやクリーム)
・救急連絡先の一覧(小児科、休日診療所、救急相談窓口など)