習い事のやりすぎはNG!?十分な遊びと睡眠が大前提

キッズパーク豆知識

子育て世帯にとって、子どもの習い事に関する悩みは尽きません。たくさんの習い事をさせている家庭を見て焦ってしまう保護者もいるでしょう。
専門家は時期を見極めることが大切、と指摘しています。その子に会った時期を見極めることで子どもの能力は効率的に伸ばせるのだとか。
脳の最新の研究で見えてきた。子どもの能力を伸ばすカギとは?
(※2024年2月21日(水)朝日新聞朝刊を参考にしています)

脳は後ろ側から発達する

東北大学加齢医学研究所の龍靖之教授は、「脳は後ろから前に向かって発達し、加齢は前から後ろに進む」とのこと。まずは物を見る後頭葉、次に音を聞く側頭葉、そして頭頂葉が発達していきます。頭頂葉には感覚を司る感覚野や体の動きを司る運動野があります。
そして最後に発達するのが前頭葉です。その中でも考えたり判断したりコミュニケーションを取ったりする高度認知機能を担っています。

脳が発達する順序を子育てに生かすには?

子どもの才能を伸ばすのに良い時期があるそうです。習い事で言えば視覚や聴覚が発達する0歳児は図鑑や絵本、また音楽に触れさせるのも良いです。
運動野が発達のピークを迎える3~5歳頃にはスポーツや音楽にも良い時期と言えます。例えば楽器の演奏は指や手首などを細かく動かす必要があるからです。

英語は早ければよいというわけではない

脳科学の観点から考えると、英語は早ければよいということにはなりません。
第二言語の獲得は10歳ごろまでに始めるのが良いという報告もありますが結論を出すのは難しいです。

早期教育のメリットとデメリット

早期教育のメリットは、幼いころからその分野にたくさん触れることで知的好奇心や興味・関心が育ちやすいことです。
ただ、子どもに対して過度な期待をかけるのはNG。睡眠時間を削ったり親子の会話が犠牲になったり体を動かす時間が削られてしまっては本末転倒。脳の発達には良いことではありません。
十分な睡眠や遊びの時間を確保したうえで、本人が好きであれば習い事が良い方向に向いていきます。

幼い頃は好奇心を育むことが大切

例えば図鑑などを使って子どもの好奇心を伸ばすと賢い子に育っていきます。好奇心があると専門的な知識の獲得にも積極的になれますね。
脳には自らを変化させる「可塑性(かそせい:よく使われる部分は強化されていく)」があります。何かに夢中になればなるほど可塑性が高まり、他の分野についても脳を成長させやすくなる、という特徴があります。

伸びる子に育てるためには「子どもの好奇心を育てる」

伸びる子に育てるためには、早くから子どもの好奇心を育ててあげることがとても重要です。そしてそれが習い事である必要はありません。
早期教育の代わりに自然に触れることを大切にしたりするのも一つの手です。
例えば図鑑で見た蝶が公園にいたとき、図鑑の中の絵でしかなかった蝶とリアルの蝶が結び付き、これが体験となります。
子どもの好奇心を刺激してあげると、どんどん知ることが楽しくなってきます。それが子どもの能力を伸ばすとことにつながるのです。

子どもは遊びで様々なことを学ぶ

子どもは遊びから様々なことに好奇心を持ったりできますし、友達との関係性も学ぶことができます。
習い事もいいですが、習い事は大人目線での成長しか判断しません。この曲が弾けるようになった、この単語を覚えることができるようになった、など。ですから、大人の持っている物差しでの評価にしかならないことがあります。
その点、子どもの興味や関心は大人が気付かないところで発揮されたりします。電車の車輪をいつまでも眺めていたり、お人形の着替えを永遠にやっていたり。
子どもにとって、3歳で5歳児のことができるようになるのがすごいのではありません。
3歳児は3歳ですべき体験をすることが大切なのです。