パパだって戸惑っている!?父親の育児にもっと支援を
子育てノウハウ
2024.01.26
2022年10月に始まった「産後パパ育休」。男性向けの新しい育児休業制度として注目を浴びています。
政府は父親の育児支援を促しており、特に産前産後は母体には休養が必要なため、今後取得率が上がることを期待したいですね。
でも政府は「推進」「推進」ばかり?もっと現実的に父親の育児を支援してほしい、という意見も聞かれるようです。
(※2023年12月4日(月)朝日新聞朝刊を参考にしています)
目次
意外に多い?父親の産後うつ
産婦人科医・産業医の平野翔大さんは、育児をきっかけに心身の不調を引き起こした父親を最近よく診察するようになったそうです。
子供が誕生したからと言って現実的に労働時間を減らすのは難しいですし、「イクメン」は当たり前と捉えられる昨今、仕事も育児も頑張らなくては、と自分を追い込んでしまい、心身に影響が出る人が増えている印象があるそうです。
まだ残る「男は一家の大黒柱」という風習
未だ残るのが「男は弱みを見せてはならない」とか「一家の大黒柱として家族を支えるのは当然」という慣例。これを最近は「有害な男らしさ」と言うそうです。
また男としてのプライドも相まって、不調を感じても周りに助けを求めない人が多く、適切なサポートや医療機関への受診になかなかつながりません。このような社会環境もあり、無理がたたって心身に不調をきたす父親が増えているのかもしれません。
「推進」ばかりで具体的な中身が無い・・・
ここ数年、父親の育児参加への制度が整ってきたり議論が活発に行われたりしていますが、それ自体はとても良いことだと感じます。
しかし現実的に「推進」ばかりで具体的な「支援」が無い・・・そういう視点を平野医師は語っています。
例えば、出産前の両親学級では父親も参加するのが一般的になりましたが、中心は生む母親のことばかり。教えられる内容も、育児のやり方がメインで、出産や育児に関する「知識」はほとんどないのだそうです。
現実的には学生時代の性教育の遅れもある、と平野医師は指摘しています。
例えば男性に「赤ちゃんは何週で生まれてくるのか?」と問うと、正解率は1割以下。通常は37週0日~41週6日です。
また、女性の妊娠の経過や妊娠時に起こりうる合併症、ホルモンの変化に伴うさまざまな不調のことなども、良く知らない男性がほとんどでしょう。
職場に「お父さん」のロールモデルがいない?
職場に「積極的に育児に関わる男性のロールモデルがいない」のも問題なのかもしれません。
育児に関わる男性の先輩が身近にいれば、いろいろと見聞きできるかもしれませんが、男性に育児時間を確保することを許さない職場環境はまだまだ変わっていませんね。
早く帰ろうとしても「お母さんが家にいるだろう」と上司に一蹴されるケースもあるのかもしれません。
かつて、母親が家事育児を一人で抱えて社会進出してきた歴史があるように、これからは父親が仕事を抱えたまま育児に進出する時代が到来しました。
しかし今の父親は主産や育児の知識も経験も支援もなく、もっと父親の育児支援に社会が関心を持つべき、と平野医師は語っています。
父親もまずは自分の健康を優先して
これからはもっと父親教室が広がることを望みますし、企業はもっと父親が育児時間を確保できるように配慮していく必要があります。でもこのことは何年も前から言われています。なかなか改善しない日本の職場環境・社会環境、そろそろ若い父親たちで変えていってほしいですね。
父親がメンタル不調になれば、母親や子供にとっても大変なマイナス。眠いのに眠れなかったり、食欲が明らかに落ちたりしたら要注意。無理せずに医療機関を受診してほしいです。赤ちゃんに手をかけそうになる前に誰かに頼ることを忘れずに!
パパもママも完璧を目指さない!
育児はとてつもなく長く続きます。何かを頼るのは恥じることでも何でもない、普通のこと、と捉えましょう。近くの小児科、ベビーシッター、自分の両親、義理の両親、一時預かり保育・・・頼れる先をいくつも持つことをおすすめします。
まずは、「抱き癖はつかない、いくらでも抱っこしてあげて」や「1歳未満にはハチミツをあげてはいけない」や「うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクがある」など基本のキから知識を付けていくのはいかがでしょうか。