妊婦さん向け「RSVワクチン」(RSウイルス)が了承、定期接種になるか?

キッズパーク豆知識

新生児や乳幼児が感染すると重い肺炎を引き起こす可能性があるRSウイルス(RSV)。コロナ禍が開け、それまでの3年間余り、新型コロナ以外のウイルス感染に見舞われた人が多くその反動が今来ていますね。現在インフルエンザや他の感染症が猛威を振るっています。
そんなRSVワクチンについて、妊婦さんが打てるようになる予定とのこと。早く定期接種になってほしいですね。
(2023年11月28日(火)朝日新聞朝刊を参考にしています)

了承されたのはファイザー社のワクチン

元々、高齢者向けのワクチンは9月に承認されていたそうですが、この度厚生労働省は、国内での製造販売承認を11/27に了承しました。
妊婦や新生児、乳幼児向けのワクチンの承認が今までも叫ばれていたそうですが、やっと実現する形になります。
了承されたのは米ファイサー社のワクチンで、販売名は「アブリスボ筋注用」と言います。今年の2月には国内での製造販売承認の申請がされていました。米国本土では8月に承認されています。

2歳までの子供のほぼ全員が感染する「RSウイルス」

RSVの感染症は、ほぼ全員の子供が2歳までに感染すると言われています。
よくある症状は発熱、鼻水など風邪と似ており、数日続くのが一般的。しかし、新生児や乳幼児、高齢者は肺炎を併発する恐れがあり、かなり重症化してしまったり、亡くなったりしてしまうこともあるのだとか。
現在、重症化する恐れのある子には予防策として抗体を投与するしかなく、ワクチンの開発が待たれていました。

今回のワクチンは母体から胎児へ移行する!

この度了承されたワクチンは、妊娠24週~36週の間に1回接種する想定です。接種により抗体ができ、それが母体から胎児へと移行します。そのため、新生児や乳幼児がRSV感染症にかかることを抑えるので、肺炎などの重症化リスクを下げることにつながります。

臨床結果は?

国際共同臨床試験(治験)によると、摂取した妊婦から生まれた赤ちゃんの場合、重症化を予防する効果は、生後3か月以内で約8割、生後半年以内で約7割だったことが分かっています。

副反応は?

気になるのは妊婦さんへの副反応です。実際には、摂取した部位の痛みや筋肉痛、また頭痛の症状が見られたそうです。
また気になる情報としては、低体重出生や黄疸(おうだん)の割合が多い傾向にあったそうです。

定期接種まではあと数年?

今後、もし承認されれば定期接種に向けての動きが始まり、議論がされることとなります。しかし、結果が出るまでに通常は数年ほどかかり、まだ先は長そうですが、確実に前に進んでいる話なので、期待したいですね。
また、60歳以上のRSVワクチンは。英グラクソ・スミスクライン社のワクチンが9月に承認されています。
今回のファイザー社ワクチンも承認されたら60歳以上の人にも打てるように、厚生労働省に申請しているところだそうです。

ところで・・・国内のコロナワクチンってどうなった?

第一三共が開発した新型コロナオミクロン株XBB対応ワクチンについて、27日、厚生労働省は国内での製造販売を承認することで、専門部会に報告したそうです。
まもなく承認される見込みで、国内の企業が開発した新型コロナワクチンが
まもなく使われるようになります。
このワクチンは、米ファイサー社やモデルナ社と同様のメッセンジャーRNAの技術が使われています。8月には承認されていましたが、従来の株にしか対応していなかったため、9月にXBB株に対応したことで承認申請されていました。
今回は12歳以上が対象で、政府は同社から140万回分を購入することで合意されているとのこと。現在進められている全世代を対象とした秋以降接種用のワクチンで、今後使用される予定です。
12月第1週から自治体に配送されるとのこと。ただ、国産のワクチンを打ちたい場合、いつ頃に予約をすればよいかは不明です。
多くの日本人は国産のワクチンを心待ちにしていたはず。「いつからの予約であれば国産ワクチンが打てます」と、政府も公言できない事情があるのかもしれませんね。