赤ちゃんの食事、気を付けるべき点は?
子育てノウハウ
2023.10.04
ご家庭や保育園で、赤ちゃんが一生懸命ごはんやおやつを食べる姿って、とても可愛いですよね。でも、保育園では毎年のように食事やおやつの後に園児が食べ物をのどに詰まらせてなくなる事故が起きていることをご存じですか?
家庭でも園でも、ヒヤリとした経験のある方は多いのではないでしょうか?
目次
その子によって発達はそれぞれ。月齢で決めないこと
保育園よっては、預け始め1週間程度、保護者に来園してもらい子どもに保育園の給食を食べさせているところもあるのだとか。
給食にでる食事の形や硬さを確認してもらう、という面もあります。その他にも家で食べているものとあまりギャップが無いように保護者の方に見てもらう目的もあるそうです。
赤ちゃんの中には飲み込む動作がとてもゆっくりな子もいます。そのような子は自宅で練習してきてもらうこともあるそうですよ。
離乳期は母子手帳に書かれている発達曲線と自分の子がピッタリ合う、という方が少ないのではないでしょうか。本当に個人差が大きい時期です。食事の時は、一人ひとりを丁寧に見ていく必要があります。
そしてその子の個人差や発達の様子をきちんと見極めることが大切なんですよね。
意外と危険と隣り合わせ?赤ちゃんの食事
食事中の事故で最も多いのが窒息です。消費者丁によると2014年から2019年の間食べ物をのどに詰まらせて窒息した14歳以下の子どもについて、80人も亡くなっているそうです。さらに5歳以下は73人と約9割を占めています。とてもショッキングな数字ですね。
国立成育医療研究センターの植松悟子医師は、「離乳期は特に気を付けてほしいし、大人の目が少しづつ離れていく幼児食も要注意」と語っています。
食材側のリスク、こども側のリスク、両方の面から減らしていくことが求められているそうです。
子どもがのどに詰まらせやすい食材とは?
小さな子どもは、食べ物をうまくかみ砕いたり、唾液とよく混ぜて飲み込んだりする力が不十分であり、未発達なのは周知のとおり。
また、気管に入り込んだ食べ物をせき込んで押し出す力も弱いです。
以下のような食材は特に注意が必要
●ごはん、おもち:粘着性がある。唾液と混ざると飲み込みにくい
●ひき肉:口に中でバラバラになりまとまらず、飲み込みにくい
●プチトマト:丸いため、気管をふさぎやすい
●きのこ類:弾力性があって噛み切れず、大きいまま飲み込んでしまう
●海老、イカ:硬くて噛んで小さくできない
●りんご:切り方に工夫をしないと詰まりやすい
●ゆで卵:口の中で唾液を吸うのでぱさつく
子こども側ではこんなことに注意しよう
事故でよくあるのが、「座って食べていたら何も起きなかったのに」という後悔。食事中は前を向いておとなしく座って食べるように少しづつ慣らしていきましょう。
何よりも大人が手本を示すことが大切ですね。
ですから、なるべく一緒に食卓を囲み、「みんな座って食べている」ことを印象付けていきましょう。
歩き回ったり、寝転がったりするのは最も良くありません。もし子どもがそのような行動に出たら、おなかが空いていない証拠。一旦食事は下げてもいいでしょう。
大人は「会社の昼休憩が12:00からだから」という理由で昼食を食べます。おなかが空いていたり、あまり空いていなかったりしますが、決められた時間なので仕方ないですね。
でも子どもは、おなかが空いていいれば食べるし、空いていなければ食べません。そう、本能のままなんですよね。自分達も子どもの頃こうだった、と思い返し、臨機応変に対応していきましょう。
ちいさい子どもは「一生懸命食べる練習をしている」と思いましょう
周りの大人は、子どもがちゃんとゴックンと飲み込んでいて、その後に次の食材を口に入れているか、よく観察しましょう。飲み込んでいないのに、次の食材を口に入れると、喉に詰まらせる原因になってしまいます。
また、スプーンの上にのった食材を上下の唇でうまく挟んで口の中に運べるかもきちんと確認しましょう。
子どもにとって、見たこともない食材や食感の物を口に入れるのはとても勇気がいることなんです。子ども達は日々食べる練習を重ねています。そして、噛む力や唾液と食材を混ぜる力、そして飲み込む力を付けていっています。そして「自分にとっての適量の一口」を学んでいきます。毎日のことで保護者はとても大変でしょうが、長い目で見ていきましょう。
何より保護者が一番うれしいのは、子ども自身が「食事の時間は楽しい」と思ってくれることではないでしょうか。一緒に食卓を囲むことも、育児のうちの一つなんですね。