乳幼児には予防接種が必要なワケ
子育てノウハウ
2025.11.21
子どもが保育園に通い始めると、次々と感染症にかかることが多く、最近ではこれを「保育園の洗礼」と表現するようです。
大変なのは子どもだけではありません。
勤務中に保育園から発熱した連絡が入り、迎えに行くよう求められることもありますし、保護者自身が病気をうつされてしまうこともあります。
冬になると、インフルエンザや新型コロナも気になります。
(※2025年7月27日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
目次
小さな身体と向き合う日々・・・保育園生活の現実
記者(41)の娘は、今年4月から保育園に通い始めました。
それ以来、数週間おきに咳や鼻水、発熱、下痢などの症状を繰り返しています。
深夜に咳き込んで目を覚ます娘の姿を見ると、胸が締めつけられる思いがします。
登園時にまわりの子どもたちを見渡すと、多くが鼻水を垂らしており、保育士からは「最近は下痢の症状が出ている子が多いです」と聞かされました。
やがて娘も同じ症状になり、少し遅れて私にも体調不良が訪れるというパターンがすっかり定着しています。
ある日、保育園から「娘さんが発熱したのでお迎えをお願いします」との連絡を受け、予定していた取材を急きょキャンセルしなければなりませんでした。
集団生活が引き起こす?体調不良の連鎖
大正製薬が本年実施したインターネット調査によりますと、子どもを保育園に預けている保護者254人のうち、4~6月の間に子どもが風邪をひいて登園を見合わせた経験があると答えた人は、全体の83.5%に達しました。
登園停止の原因として多く挙げられた症状は、鼻水、発熱、咳が中心でした。
では、なぜ保育園に通い始めると体調不良が頻発し、それがいつまで続くのでしょうか。
子どもの感染症に詳しい新潟大学医学部の斎藤昭彦教授は、その理由として主に2点を挙げています。
ひとつは子どもの免疫機能がまだ発達途上であること、もうひとつは集団での生活環境によりウイルスの接触機会が増えることです。
小さな体が病気と向き合う時期
斎藤教授は「赤ちゃんは胎内にいる間、母親から胎盤を通じて多くの抗体を受け取りますが、その抗体は出生後、徐々に減少していきます。そして、生後6カ月を過ぎるころには、ほとんど残っていない状態になります」と話します。
「このように免疫力がまだ整っていない時期に、さまざまな病原体が存在する保育園のような集団生活に入れば、感染症にかかるのは避けられないでしょう」とも述べています。
生後6カ月を超えると、体は感染を通じて自ら抗体を作るようになりますが、初めて出会うウイルスや細菌に触れるたび、体調を崩すことになります。
「感染の流行状況にも左右されますが、こうした状況はおおむね2~3歳くらいまで続くと考えられます」と指摘しています。
感染は成長の一環というけれど。リスクと現実
赤ちゃんが免疫を獲得するには感染が必要なのでしょうか。
この疑問に対し、斎藤教授は「なるべく感染しないに越したことはありません」と述べています。
というのも、一度あるウイルスに感染して免疫を得たとしても、そのウイルスの型が異なれば免疫が十分に機能しない場合があります。
また、感染によって重い合併症を引き起こす危険性もあるからです。
さらに、子どもが感染するたびに家族全体に病気が広がってしまうことも、大きな悩みのひとつです。
こうした連鎖を完全に防ぐことはできないのでしょうか。
子どもを守るためにできる感染症対策の基本と心構え
斎藤教授がまず重要だと述べているのは、子どもに必要なワクチンをしっかり接種させることです。
生後2カ月からはロタウイルス、5種混合、肺炎球菌、B型肝炎の予防接種が始まり、1歳になると麻疹、風疹、水ぼうそう、おたふくかぜといった感染力の強い病気へのワクチン接種が可能になります。
また、コロナ禍を通じて身につけた基本的な感染予防策―手洗いや手指の消毒、体調が悪い時のマスク着用などを、引き続き徹底することが勧められています。
家族の中に症状のある人がいる場合には、無理のない範囲で子どもとの接触を控えることも感染拡大を防ぐ一助となります。
特に注意が必要なのが、ロタウイルスやノロウイルスなど感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。
これらは便の中に大量に含まれているため、オムツ交換や排泄物の処理は手袋を着用して行い、トイレの清掃には次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤の使用が推奨されます。
それでも、あらゆる対策を講じても感染を完全に防ぐことはできません。
斎藤教授は「100%防ぐのは不可能です。感染してしまっても自分を責めないでください。完璧を求めず、できることから取り組むという気持ちで予防に努めましょう」と、保護者に向けて温かいメッセージを送っています。
病児・病後児保育施設を上手く利用して
近年は病児や病後児を預かる施設がかなり増えてきました。
保護者としては休んで一緒にいてあげたいのはヤマヤマ。
でもいつもそういうわけにはいきません。
自治体の病児・病後児預かり施設を上手く利用して乗り切るのも一つの手です。
ベビーシッター制度もうまく利用してください。