キラキラネームを制約へ「改正戸籍法」
子育てノウハウ
2025.10.10
戸籍法の改正により、氏名の読み仮名が記載されることが5月26日に施行されました。
これにより、新たに生まれた子どもの名前が、漢字の意味や読み方に関連性がない「キラキラネーム」の場合、認められないこともあるとされています。
(※2025年5月27日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
目次
悪いことばかりではない?キラキラネーム
関東地方に住む20代の女性は、「愛奏」と書いて「めろでぃ」と読む名前を持っています。
周囲からは「キラキラネーム」と言われることが多く、自身でもその通りだと感じているそうです。
それでも、「名前のおかげで得したことはあっても、損したことはない」と語ります。
周囲から「素敵な名前だね」と褒められることが多く、名前が覚えやすいため、良い印象を持たれやすいと感じているのです。
音楽にちなんだ名前を持つ愛奏さん
音楽が大好きな両親は、愛奏さんを含む3人の兄妹全員に、音楽に関連する名前を付けました。
愛奏さんは3番目の子どもであり、誕生前から「メロディー」という名前が決まっており、「め」の部分には「芽」を当てることを考えていたそうです。
名前の由来を知り、愛着が深まる
愛奏さんが生まれた際、医師から健康に不安があると診断されました。
両親は「どんな困難があっても愛情深い子に育てたい」という思いから、「愛」という漢字を名前に使うことを決めたそうです。
このような名前の由来を知ることで、愛奏さんはその名前に対する愛着が増し、両親に対する感謝の気持ちも湧いてきたといいます。
また、愛奏さんは音楽とは異なる進路を選びましたが、名前が自分の生き方に縛りをかけることはありませんでした。
からかわれたり、レッテルを貼られるようなこともなく、心地よく過ごしていたそうです。
読み仮名制限に対する複雑な思い
今回の法改正で、読み仮名に一定の制限が設けられることに対して、納得できない部分もあります。
法務省は認められない読み方の例を示していますが、その基準があいまいに感じるのです。
自分の名前のように、漢字通りの読み方ではないものの、意味を考えると「しっくりくる」名前はどうなるのでしょうか。
確かに、子どもにとって受け入れが難しい「キラキラネーム」が存在することも理解しています。
そのような事例を減らすために、戸籍に記載される読み仮名に一定の制限を設けることは理解できる面もあります。
しかし、これから生まれてくる子どもたちが、自分と同じように自由に名前を付けられるかどうかは分かりません。
もし自由に読み仮名を振れることが制限されるなら、それは少し寂しいとも感じます。
改正戸籍法施行、名前の読み仮名に新たな基準
改正戸籍法は、行政手続きのデジタル化を進める一環として、本人確認の精度向上を目指しています。
子どもの名前に使用できる漢字は、戸籍法の施行規則によって定められています。
改正法では、名前の読み方にも「一般的に認められているもの」という基準が設けられ、各自治体の窓口でその適否が審査されることになります。
法務省によると、例えば「心愛(ココア)」のように読み方が省略されている名前や、「美空(ソラ)」のように一部の漢字が読まれない名前は認められます。
しかし、「太郎(ジョージ)」や「高(ヒクシ)」など、漢字の意味や読みとの関連性がない名前は、「社会を混乱させる」として認められません。
また、差別的または反社会的な読み方も認められません。
もし自治体が、読み仮名が一般的かどうか判断できない場合、名前の由来や関連資料を追加で提出するよう求められます。
それでも認められない場合は、読み仮名部分が未定のまま出生届を受理されます。
この場合、不服があれば、出生届が受理されない可能性もあります。
新生児以外の人々については、今後、本籍地のある自治体から予定されている読み仮名が記載されたはがきが送られます。
誤りがない場合は特別な手続きは不要ですが、誤りがあれば、施行後1年間は変更届を提出できます。
また、マイナポータルや自治体の窓口でも、2025年9月26日から届け出が可能になります。
戸籍には施行から1年後に順次記載され、住民票にも反映される予定です。
問い合わせは平日午前8時半から午後5時15分まで、コールセンター(0570-05-0310)で受け付けています。