慣らし保育の進め方とポイント

キッズパーク豆知識

慣らし保育とは、赤ちゃんや子どもが新しい環境に少しずつ慣れていけるように、短時間から徐々に保育園で過ごす時間を延ばしていく保育のこと。
初めて親と離れる子どもにとっても、保護者にとっても大きな一歩となるため、無理なく安心して進めることが大切です。

 

慣らし保育の一般的な流れ

園によって日数や方法は異なりますが、一般的には次のような流れで進められます。

1日目~2日目:短時間保育(1〜2時間程度)
園の雰囲気に触れるため、まずは短時間だけ過ごします。おもちゃや先生と関わる体験をすることで安心感が芽生えます。

3日目~4日目:午前保育(給食前まで)
園での活動に少しずつ参加できるようになり、友達や先生とのやりとりも増えていきます。

5日目~1週間後:給食・午睡を含む半日保育
園での生活リズムに合わせ、給食やお昼寝を体験します。家庭とは違う環境で過ごす練習になります。

2週間目以降:通常保育へ
徐々に1日を通して園で過ごせるようになり、慣らし保育が終了します。

 

おうちでやっておきたい事前準備

スムーズに慣らし保育へ移行するためには、入園前の家庭での準備もとても大切です。次のような工夫を取り入れてみましょう。

●生活リズムを整える
園生活に合わせて、早寝早起きや食事の時間を安定させておきましょう。入園直前に急に変えるよりも、2〜3週間前から少しずつ調整すると子どもも安心です。

●簡単な集団生活に慣れる
支援センターや児童館など、人の多い場所に短時間遊びに行くことで「親以外の大人や子ども」に触れる機会を増やすのも効果的です。

●持ち物に慣れておく
水筒やエプロン、リュックなど、園で使う予定のものを事前に家庭で使ってみるとスムーズです。お子さんが自分で扱いやすいかどうかもチェックしておきましょう。

●親子の分離の練習をする
短時間、祖父母やベビーシッターに預けるなど、親と離れる体験を積んでおくと安心につながります。

●園生活をイメージさせる
「これから先生と遊べるよ」「お友だちとごはん食べられるよ」といった声かけをすることで、前向きな気持ちを育てられます。

 

子どもがぐずったとき

慣らし保育の最中や帰宅後、子どもが泣いたりぐずったりするのは自然なことです。新しい環境に適応しようとする過程で、一時的に感情が不安定になることがあります。そんなときには次のような対応を意識してみましょう。

●しっかり受け止める
まずは「泣いてもいいんだよ」「がんばったね」と声をかけ、気持ちを受け止めてあげましょう。無理に元気づけようとせず、安心感を与えることが大切です。

●スキンシップで安心させる
抱っこやハグなどのスキンシップは、子どもにとって一番の安心材料です。帰宅後にゆっくりと甘えさせてあげる時間を持ちましょう。

●切り替えの工夫をする
好きな絵本を読んだり、お気に入りのおもちゃで遊んだりして、気持ちを他に向けてあげるのも効果的です。

●園の先生と情報を共有する
家庭でのぐずり方や不安のサインを先生に伝えることで、園でも一貫したサポートができ、子どもが安心しやすくなります。

 

保護者が意識したい4つのポイント

1. 子どもの気持ちに寄り添う

慣れない環境で泣いてしまうのは自然なことです。泣いている姿を見ると心配になりますが、先生に任せて見守ることも大切です。お迎えのときにはたくさん抱きしめて安心させてあげましょう。

2. 園とよくコミュニケーションをとる

家庭での様子や体調を伝えたり、園での過ごし方を聞いたりすることで、子どもに合わせたサポートができます。先生と一緒に「無理なく進めるペース」を確認していきましょう。

3. 家庭のリズムも整える

早寝早起きや食事のリズムを園に合わせると、子どもがスムーズに慣れる助けになります。特に入園前の時期から生活リズムを整えておくことがポイントです。

4. 保護者自身の心の準備も大切

子どもだけでなく、保護者にとっても慣らし保育は新しい生活の始まりです。仕事復帰のスケジュールや家庭の準備を整えておくと、気持ちに余裕を持って子どもを送り出せます。