母親になったことを後悔?封印してきた胸の内
キッズパーク豆知識
2025.04.04
「母親になったことを後悔している」
この衝撃的なテーマを掲げたイスラエルの社会学者による研究書が、近年、世界中の女性たちに大きな波紋を広げています。
キャッチコピーは
「子どもを愛している。それでも、母ではない人生を思い描く」。
日本でも、母親たちがこれまで語ることをためらってきた心の内に迫る番組や関連書籍が登場しています。
子育てはキラキラしたことばかりではありません。時には自分を犠牲にして子どもを優先させることも。
多くの母親は「なぜ母親ばかり」「父親にこんな悩みはない」と感じているのかもしれません。
(※2025年2月6日、2024年12月25日の朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
目次
「産む」ことへの葛藤、社会の期待と圧力
20~30代の多くの女性たちにとって、「子どもを持つかどうか」は重要なテーマの一つです。
「母親になってこそ一人前」
「母は無償の愛を注ぐ存在であるべき」
といった社会的なプレッシャーの中で、命を育てる責任の重さや、自分自身の生き方、アイデンティティーについて悩む女性たちの声を、これまで取材してきました。
子育てという果てしない登山へ・・・踏み出すべきか悩む女性たち
バブル期にできた言葉「DINKS」。「子どもを持たない選択」をしている共働き子なし-DINKS-の女性(31)は、子育てを「エベレスト級の登山」と表現します。
精神的にも、身体的にも、経済的にも負担が大きい挑戦。
その先には素晴らしい景色が広がっているかもしれません。
しかし、一度登り始めたら途中で引き返すことはできず、頂上がどこなのかも分かりません。
それでも、このまま踏み出さずにいて、後になって後悔しないと言い切れるのか?彼女は悩み続けています。
揺れ動く選択「産む・産まない」の間にあるグラデーション
どちらの道を選んでも、女性たちの心は揺れ続けます。
その境界ははっきりとした線ではなく、曖昧で紙一重のもの。
そこにあるのは対立ではなく、さまざまな思いが交錯するグラデーションです。
しかし、外からは「迷うこと自体がわがまま」と受け取られることも少なくありません。
女性たちが本当に向き合うべき課題は、自分自身の選択ではなく、社会にあるのかもしれません。
「母になること」ではなく「この社会で、この日本で、母になること」への後悔
「後悔しているのは、母になったことそのものではなく、この社会で、この日本で、母になったこと」。
この言葉が強く心に残る方は多いのではないでしょうか。
子どもを持つかどうかにかかわらず、誰もが迷いや葛藤なく、自分らしく生きられる社会を実現するには何が必要なのか。
これからも考え続けていくテーマかもしれません。
少子化対策の「ラストチャンス」?長期的視点で求められる支援
政府は「30年代に入るまでが少子化を食い止める最後の機会」と位置づけ、支援策の強化を進めてきました。
しかし、東京大の白波瀬佐和子特任教授(人口社会学)は「少子化は1970年代半ばから長期にわたって進行しており、『反転』という表現は誤解を招く」と指摘します。
結婚や出産は個人の自由であり、子どもを持たない選択も尊重されるべきだとする一方で、子育てとキャリアの両立を望む人への支援については、育児休業制度の普及により、仕事を続ける人が増えていると述べています。
「少しずつ成果は出ているが、目に見える形で効果を実感しにくいため、粘り強く施策を続けることが重要だ」と語ります。
また、「少子化の原因は女性にある」というような誤解や社会的な圧力もなくさなければならないと強く感じます。
家事代行サービスを上手く利用して乗り切って!
まだまだ女性ばかりに家事育児の負担が偏る現実。これからは家事代行サービスを上手に利用して上手く乗り切ることが大切ではないでしょうか。
家事育児サービスに対価を払ってやってもらうことは決して悪いことではありません。そんな認識をもっと広めていかなければなりませんね。